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ミタブログ

鑑賞、読書、たまに観劇

映画「ミュージアム」を見た人と共有したい感想。"あるある"をひっくり返し切らない理由とは?

映画 邦画

映画が好きな作文です。

ミュージアム」を見てきました。

まずは予告編をどうぞ。

 ▼概要はこちら(YouTube予告動画の説明文より

主演:小栗旬×監督:大友啓史(『るろうに剣心』シリーズ)
衝撃のノンストップ・スリラーエンターテイメント!

雨の日に発生する連続殺人事件。犯人は史上最悪の殺人アーティスト・カエル男。そして次のターゲットは、沢村刑事の妻と子。追い詰められた彼が絶望の密室(ミュージアム)で見たものとは・・・!?あなたは最悪のラストを期待する。

■超激レア賞品が当たる!「#カエル男を探せ!」キャンペーン実施中!
http://wwws.warnerbros.co.jp/museum/c...

■『ミュージアム』2016年11月12日(土)公開
オフィシャルサイト:http://www.museum-movie.jp

原作:巴亮介ミュージアム』(講談社ヤングマガジン」刊)
主題歌:ONE OK ROCK “Taking Off”(A-Sketch)
監督:大友啓史
脚本:髙橋泉 藤井清美 大友啓史
音楽:岩代太郎
出演:小栗旬 尾野真千子 野村周平 丸山智己 田畑智子 市川実日子 伊武雅刀 / 大森南朋 松重豊 / 妻夫木聡
製作:映画「ミュージアム」製作委員会
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:ワーナー・ブラザース映画

© 巴亮介講談社 © 2016映画「ミュージアム」製作委員会

本作はヤングマガジン連載「ミュージアム」(著・巴亮介さん)を映画「るろうに剣心」シリーズでメガホンを取った大友啓史さんが映画化しました。詳しくはこちらをどうぞ。

style.nikkei.com

ヒューマントラストシネマ渋谷13時5分上映回で見てきました。

わたしが購入した座席は左やや後方でした。

f:id:sakubun10:20161117125430j:plain

当日は公開初日でしたが、丸の内ピカデリーで舞台挨拶があったので、余裕でチケットを取れるだろうと思いつつ、1時間前に劇場カウンターで購入しました。このブログでは紹介していませんが、ヒューマントラストシネマ渋谷には先月「シン・ゴジラ」を見にいっていたので劇場の雰囲気は事前にイメージできていました。

前回との違いは、7階のスクリーンから8階のスクリーンに変わったこと。それが思いのほか大きな変化で、他の2つの上映室に入ったことはないから予想でしかありませんが、ヒューマントラストシネマ渋谷は7階より8階の方が上映室が広いみたいです。この日の上映室は「シン・ゴジラ」を見た日の2倍くらいの広さでした。

それでも、ヒューマントラストシネマ渋谷自体があんまり大きな上映室を持っているわけではありませんので、チケットを購入する際はご注意ください。

左列は4席並びだったんですけど、友達二人できたような女性二人組が1席空けずにチケットを買っていたようで、知らない人と3人並びで鑑賞しました。やっぱり1席空けずに座ると足を組むには座席が幅狭な印象。あ、わたしは一般的なシネコンの座席を幅狭と思っているので、ヒューマントラストシネマ渋谷の座席が特別に狭いわけではありません。座面自体はフカフカしています。これもシネコンと同レベル。上映室自体がシネコンと比較してコンパクトな印象を受けること以外はいたって普通の映画館です。大型映画館に比べて小さいスクリーンも、上映すれば気になりません。スクリーンから発散される光と室内の暗さがバランス丁度いいので、映画に集中しやすいからかもしれません。

また、ヒューマントラストシネマ渋谷はテアトルシネマグループなので、TCGカードの有料会員になると割引上映を利用できます。1本に付き800円お得になる曜日が週2日、その他5日間は500円お得になるので、ヒューマントラストシネマ渋谷の上映作品が好みに合う方は有料会員になった方が断然お得です。映画中毒の人の味方になってくれるような映画館です。

あと、公開初日だったので「湯を沸かすほどの熱い愛」の時と同様にぴあが出口調査をしていました。

ぴあ:「ミュージアム」を見ましたか?
作文:(うなづく)
ぴあ:何点でしたか?
作文:……65点。

そう答えておきました。


さて、映画「ミュージアム」ですが、日常に恐怖が訪れる予感を描いた作品でした。本作では、小栗旬さん演じる刑事・沢村久志が妻夫木聡さん演じる連続殺人犯・霧島早苗(カエル男)に家族をさらわれ、救うまでの過程で自分と家族がどう付き合ってきたのかを顧みることになる様子が描かれていました。

序盤から猟奇殺人ミステリーや刑事ドラマの定番的表現が描かれていき、中盤で鑑賞者が沢村の心理描写に集中できる状況をつくり、終盤でどんな結末を迎えるのかハラハラさせられる、という構成でした。刑事ドラマ特有の捜査シーンを使った説明的描写が多かったのでホラー映画を見慣れていない人でも沢村にシンクロするような感覚で見ることができたかもしれません。

かくいうわたしは、前半から繰り返される刑事ドラマのど定番に安心感を覚えながら鑑賞していました。これはまだ出版社に勤めていた頃、上司から教えられたことですが「本のうち4分の3ぐらいは一般的な情報を入れてあげた方がいい。すると、残りの4分の1で伝える新しい情報を受け止めてもらいやすくなる」そうです。本作でも、その4分の1に安心して集中することができました。

では、本作の4分の1とは何かと言いますと、見ている間は意味付けできていませんでしたが、書きながら今思うことは作品で描かれていない部分をちゃんと察してほしい、という監督のメッセージなのだろうと感じました。

ミュージアム」では主に沢村が霧島を追う様子を時系列で描いています。霧島は猟奇殺人犯なので、さまざまな殺し方で人を殺めます。沢村の家族に手を出そうとするまでに5名殺めるのですが、そのうち殺人シーンの一旦が描かれたのは1名のみ。あとは警察が事件現場に到着する、殺人後のシーンしか描かれていません。ですが、多くの鑑賞者は「グロい」「エグい」という感想をTwitterに挙げています。

例えば、

こんな感じです。

これがクライマックスシーンに向けて、鑑賞者の鑑賞意欲を刺激するフックになっていて、映画のキャッチコピーにもあるように「あなたは、最悪のラストを期待する」ことになってしまいます。わたしもその一人でした。だから、正直に言って見終わった時に物足りなさを感じてしまい、ぴあの出口調査に65点と答えています。

物足りなさを感じてしまった要因はラストシーンにもあります。最後に写る五十嵐陽向さん演じる沢村の息子・将太の様子が残した余韻を中途半端に感じたからです。映画は作品として劇場で完結すること、そして外に出た時にエンドロールで感じた余韻を通じてみた世界が少し変わって見えること、それが大事だと思っているのですが、本作の場合、作品自体が閉じ切らずに終わっています。わたしには、この余韻がとても邪魔でした。

ただ、こうして書く前に再解釈してみると、鑑賞者に察してほしい、推察してほしい、つまりイメージしてほしいと望んでいる作品として、ラストに作品を完結させないことは必須だと思いました。なので、この映画はぜひラストシーンまで見た上で、作り手がどんな心境で制作していたのかを類推してみると、作品に含まれていないけど自分自身を取り巻く環境としては存在する社会にまで思いを馳せることができる物語だと思いました。

表現することは常に時代に合わせて変化していきますが、「ミュージアム」が鑑賞者に向けて発したアプローチから、自分自身もどうやって現代的な表現をしていこうか考えるきっかけを得ました。

追伸

ふだん、こういう映画に慣れていない人にとって、霧島の殺人現場は少し気持ち悪いかもしれません。わたしは前の週に「無垢の祈り」を見ていたので物足りなく感じた可能性もあります。(完)


www.ttcg.jp

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